神棚の購入前に知っておきたいこと
神棚の選び方・お参りの仕方
神棚の種類
神棚には、さまざまな種類のものがありますが、伊勢神宮の社殿の形式である神明造り(しんめいづくり)のものが一般的な形です。ほかに屋根を除いた箱宮型のものもあります。
その中でも、扉が一つの一社宮と、扉を三つ持つ三社宮があります。
また屋根の形には、高さに違いがなく一直線の通し屋根のものと、中央が高く両脇を低くした屋根違いのものがあります。
- 一社宮
- 三社宮
神棚の材質
神社建築は、伊勢神宮のように桧の素地を活かしたものから極彩色のものまでありますが、家庭用の神棚は桧や欅の素地を活かした白木造りで作られています。
木地の種類としては、木曽桧に代表される桧や欅がほとんどですが、屋根に桧皮葺(ひわだぶき)や茅葺(かやぶき)などが用いられることがあります。
千木・鰹木
神棚の屋根の両端にある上に突き出た木材を千木(ちぎ)といいます。
また、屋根の上に横に並べられた丸太を鰹木(かつおぎ)といいます。鰹木は「堅魚木」「勝男木」などとも書きます。
神棚の選び方
神棚を選ぶとき重要となるのは大きさです。
部屋の広さに応じて棚板を設けますが、棚板の間口と奥行の寸法、また天井までの高さを測り、これにふさわしい大きさのものを選ぶことが大切です。
お供えや榊立などを載せるスペースも考慮しなければなりません。
神棚のお参りの仕方
神棚をお参りするときは、まず手を清め、口をすすぎます。
拝礼の仕方は、2回お辞儀をし、2回拍手(かしわで)を打ち、1回お辞儀をする二拝二拍手一拝(にはい にはくしゅ いっぱい)が基本です。
神棚には、扉の正面に鏡をすえて、お米、お塩、お水、お酒、榊、灯明などをお供えします。
水は毎朝お供えし、それ以外は毎月一日と十五日に新しいものをお供えします。
神棚にお供えするものを神饌(しんせん)といいます。
榊は「栄える木」という意味の神事に用いる木のことで、ツバキ科の常緑小高木の枝葉を飾ります。
古来より日本では、遠い先祖を神さまとして神棚に祀り、身近な先祖を仏さまとして仏壇に祀って心のよりどころとしてきました。
神棚をお祀りすることは、家族の安泰や幸せを願い、毎日の生活に感謝する気持ちを、お神札(ふだ)を通して神さまに伝え、日々そのご加護をいただいているわけです。
なぜ神棚をお祀りするのか
神棚は神さまを祀るための小型の御宮(宮形・神殿)をいいます。
日本の神さまは神話の時代から続く我々日本人の祖先であり、神棚はそうした遥か遠くの祖先をお祀りすることになるのです。
また日本の神さまは天照大御神が太陽神であるように自然の象徴であることが多く、神棚は自然への感謝と畏敬を表す場所ともなります。
神棚を祀ることにより、日本が神話から続く歴史をもつことを知り、自然に感謝することはきわめて重要なことであります。
日本の宗教風土は仏と神が混然一体となった歴史を持ち、遠い先祖を神さまと崇(あが)め、近い先祖を仏さまと尊び、現代にいたるまでその習慣は続いています。
このことは日本の精神文化の両輪であり、神棚と仏壇の両方を祀ることで、はじめて家庭における心の文化が出来上がります。
神棚の歴史
神道はもともと社殿をもたず、例えば大きな岩、山などをご神体としてきました。
その後、社殿が造られるようになり、伊勢神宮に見られる神明造り、出雲大社に見られる大社造りなどの神社社殿様式が生まれました。
現在の神棚の形式は、伊勢神宮の社殿である神明造りのものが一般的な形です。
江戸時代中期には、神棚は庶民の生活に幅広く普及しましたが、そこには御師(おし)と呼ばれる人々の活躍がありました。
御師は社寺における案内人で、参詣者に宿泊の世話までする役割を担っていました。
伊勢神宮の御師は江戸時代、全国にお神札(ふだ)を配布しながら伊勢神宮への信仰を勧めました。
当時、各家庭では、このお神札を祀るために大神宮棚という特別な棚が設けられていました。この大神宮棚が今日の神棚の原型となり、家庭に神棚が設けられるようになりました。
日本人と神棚
私たち日本人の祖先たちは、稲作を中心とした生活を営み、稲の生育に合わせて数多くの儀式を生み出してきました。
こうした儀式は暮らしに密着したものであり、儀式の中心となる神さまは、私たちの生活を常に見守ってくださる身近な存在として崇められてきたのです。
さらに日本人は、神さまへの日々の感謝の念をあらわすため、神社からいただいてきたお神札を家の柱などに貼ったり、より丁重におまつりするために、神棚を設けてお神札をおまつりし、神さまのご加護を祈念してきました。
お参りの仕方は、神社の参拝と同じで、2回お辞儀をし、2回拍手(かしわで)を打ち、1回お辞儀をする二拝二拍手一拝(にはい にはくしゅ いっぱい)が基本です。
朝は家族の健康と安全を願い、一日の終わりには平穏無事に過ごせたことに感謝してお参りします。
また、お祝い事のあったときなどは、その都度神棚にその喜びをお伝えし、神の恩恵に感謝してお参りしましょう。
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