伊勢神宮・全国の主な神社
さまざまな神さま
天照大御神
伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)は国土を整え、万物を育て、最後に天照大御神(あまてらすおおみかみ)・月読命(つきよみのみこと)・須佐之男命(すさのおのみこと)の三貴子をお生みになりました。
高天原(たかまのはら)を治められた天照大御神は、皇孫(こそん)瓊々杵尊(ににぎのみこと)がこの国土に降りられるとき、皇位の璽(しるし)である三種の神器の八咫鏡(やたのかがみ)・草薙剣(くさなぎのつるぎ)・八坂瓊勾玉(やさかにのまがたま)を授けられました。
私たちには誰にでも両親がいて、それは代々過去にとめどもなく続いており、そのたどり着く先が皇室の御祖神(みおやがみ)であり、日本民族の大御祖(おおみおや)と仰がれる天照大御神なのです。
天照大御神は、その文字が示すように、天を照らす太陽を象徴しています。しかし、太陽そのものを神とするのではなく、太陽に例えられるような、偉大で明るい立派な日本民族の祖神を意味する神さまなのです。
竈神
竈神(かまどがみ)は、荒神(こうじん)・三宝荒神などさまざまな呼称があり、主に竈(かまど)を中心とした各家の火を扱う場所にお祀りされる神さまです。
食物の煮炊きに用いられる竈は、通常一軒に一ヵ所であったため、竈はその家を象徴するものと考えられました。分家することを「竈をわける」などというのも、こうしたことによるものです。
竈の守りとして祀られる竈神は、単に火伏せの神としての御神格だけではなく、農作の神やその家の富や生命など生活全般を司る神として広く信仰されるようになりました。
屋内の場合、竈の近く(現在では台所など)に神棚を設けて、お神札や幣串(へいぐし)を納めて祀るのが一般的です。
竈神の具体的な御神名は、古事記に大年神の子として「奥津日子神(おきつひこのかみ)、つぎに奥津比売命(おくつひめのみこと)、またの名は大戸比売神(おおべひめのかみ)。此は諸人のもち拝(いつ)く竈神なり」とあるように、奥津日子神・奥津比売命の二柱の神、若しくは大年神を合わせた三神が竈神とされています。
稲荷神
稲荷神は、農村部では五穀豊穣を祈る農業神として、また都市部では商売繁盛や病気平癒などの神様として庶民の篤い崇敬を受けています。
また、狐は稲荷神のお使いといわれますが、これは稲荷神の農耕神としての性格と関連するものと考えられます。
この信仰は、イナリの語源をイネナリの訳とするなど、田の神に対する信仰と深く結びついたものでした。
二月最初の午の日に、京都の伏見稲荷大社をはじめとし、全国各地の稲荷神社などでは初午祭がおこなわれます。
初午の日は、和銅四年(711年)二月のこの日に稲荷神が初めて三ケ峰(稲荷山)に降臨されたことに因むもので、このことが稲荷神社の総本社である伏見稲荷大社の鎮座の由来ともなっており、全国の稲荷神社では特に重要な日として祭事がおこなわれています。
初午の行事は中世からの稲荷信仰の普及とともに、庶民の間で全国的に広まりました。この時期は農事始めともなっているため、その年の五穀豊穣や、養蚕地帯では繭玉を供えて養蚕の祈願をおこなったり、漁民の間では豊漁の祈願がおこなわれたりします。
また、現在では商売繁盛・事業繁栄といった御利益などを願う参詣者で各地の神社が賑わいます。
稲荷神は、後に仏教の荼吉尼天(だきにてん)と習合したため、愛知県の豊川稲荷など仏教系の稲荷祠のほか、家庭や企業でお祀りされている稲荷社などでも初午の行事が盛んにおこなわれています。
七福神
福徳をもたらす神さまを福神(ふくじん)といい、その代表的なものに七福神の信仰があります。
この信仰は、室町時代から起きたものともいわれ、普通は恵比寿・大黒天・昆沙門天・弁財天・布袋・福禄寿・寿老人の七神があてられます。このうち寿老人は福禄寿と同体異名であるという説もあることから、寿老人の代わりに吉祥天(きっしょうてん)を入れることもあります。
七福神は吉兆の象徴として、絵画や彫刻、芸能の題材にもされています。
恵比寿(えびす)は、狩衣・指貫に風折鳥帽子を着け、右手に釣ざお、左手に鯛を抱えます。海運守護・商売繁盛の神さまです。
大黒天(だいこくてん)は、頭巾をかぶり、右手に小槌、左手は背負った大きな袋の口を握り、米俵の上に乗っています。インドの神さまですが、大黒が大国に通ずるところから、出雲大仕に祀られている大国主命と混同されます。福徳の神さまで、恵比寿とともに広く民間に信仰されています。
昆沙門天(びしゃもんてん)は、黄色くて怒りの相を表し、甲冑を着け、手には宝塔を持ちます。別名を多聞天(たもんてん)といいます。インドの神であり、財宝の神さまとして信仰されています。
弁財天(べんざいてん)は、弁天と略称で呼ばれることもあります。その像にはいろいろと種類があるようですが、琵琶を弾じている女像が代表的な像とされます。本来はインドの神で、農業神でもありましたが、のちに音楽や芸能、知恵の神さまとなりました。
布袋(ほてい)は、中国で実在した禅僧布袋和尚を神格化したものといわれます。肥満体で腹が出ていて、布の袋を持ちます。 円満の神さまです。
福禄寿(ふくろくじゅ)は、中国の仙人に由来するといわれます。背が低くて頭が長く、髭が多くて経巻を結びつけた杖などを持ちます。長寿を授ける神さまですが、寿老人との混同があります。
寿老人(じゅろうじん)は、背が低くて白髪を垂れ、髭が長くて杖やうちわを持ちます。長寿を授ける神さまですが、福禄寿との混同があります。
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